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トルコ南西部の海岸沿いの町ディディム。
ここは海水浴場が売りの地だけあって、
まだ肌寒い2月の今は観光客もまばらだ。
先にパークホテルにチェックインを済ませ、
荷物を置いて海岸に向かう。海岸沿いを歩いていると、
海から吹いてくる空気が気持ちいい。
海も、イスタンブールとは違い
透き通っていてとてもきれいだ。
散歩している人や、
ベンチに座って新聞を広げているおじさんなど、
みんなのんびりしている。
しばらく散策した後、今日の目的地、
アポロン神殿に向かうことにする。
アポロン神殿はディディムの町外れにある。

復元図があり、巨大な石柱が立ち並ぶ立派な
神殿であったことが分かる。
有名なメデューサの顔があるのもここだ。
石柱は現在は3本が残るばかりだが、
それだけでも迫力が十分感じられる。
まったく、人間てのはほんとにすごい仕事が出来るもんだ。
様々な角度から写真を取りながら歩いていると、
一人の貧しそうな身なりの女の子が
そこら辺に生えている小さな花を
摘みながらこちらに向かってきた。
「メルハバ!(こんにちは)」と挨拶すると、
その子は、あなたはトルコ人なの?と聞いてきた。
そんなわけないだろと笑いながら、
日本人で、イスタンブールに住んでるんだよと話す。
トルコ語で話せることもあって、
その子は自分のことを語りだした。
近くで兄と二人で住んでいること、
その兄はどうも障害者のようで働けず、
自分がこうして観光客に物を売っているんだという。
といっても、彼女の手にあるのは子供のシールのような物。
こんなものを誰も欲しいわけがない。
でも哀れに感じた観光客はお金を恵んであげるのだろう。
でもその子は僕にはお金をせびるようなことはせず、
摘んだばかりの花をくれた。
イスタンブールには行った事ある?と聞くと、
イスタンブールどころか
この地を離れたことがないと言う。
「私とても貧しいの」と。ああ、馬鹿なこと聞いたな。
そう、観光客と、地方の貧しい生まれの子とでは
まるで感覚が違うのだ。
生まれが貧しいと教育も受けられない。
教育が受けられないと、貧しい生活から抜け出せない。
この子の様な境遇の子供達は世界中にたくさんいるだろう。
僕は、自分が先進国に生まれたことが
どんなに恵まれたことか、また
貧しい人々のことを
忘れずにいようと強く思うのだった。
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